2014年新卒採用 戸谷 真亜久
探鉱部 物理探査室
大学・大学院では地球物理学を専攻。2014年4月に物理探査技術者として入社し、約6か月間の国内研修、1年間オマーンの石油会社での海外研修を経た後、2017年から現在にかけて東京本社勤務。東京本社では新規プロジェクト評価や既存案件管理を担当。最近は脱炭素事業の一環として二酸化炭素地下貯留(CCS:CO2 Capture and Storage)にも注力中。
私は現在、新規案件の技術評価、既存案件管理、最新技術動向調査などを担当しております。
当社と親会社である伊藤忠商事は一体となって世界中の油ガス田や国内外CCS案件への新規参入機会を探しています。有望な案件については、当社技術者が対象案件の油ガス埋蔵量、生産プロファイル、コストプロファイル、技術的リスクなどの技術面を評価し、伊藤忠商事が経済性、契約などの商務面を評価することで総合的にその案件を評価し、参入するか否かを検討します。
私は物理探査技術者として、物理探査データや坑井データ等を活用した技術リスク評価、埋蔵量評価を主に担当しています。実際に案件の参入に至るまでには様々な障壁があり、10件の案件を真剣に取り組んで、ようやく1件の案件が成立するイメージです。現在も内部では様々な案件の検討を行っています。
新規案件への取り組みと並行して、伊藤忠グループで保有している既存案件の管理も行っております。私の業務は主にオペレーターが実施している探鉱・開発作業進捗の確認、技術評価の妥当性の確認です。時にはオペレーターが検討しきれていない技術課題に気づく場合もあります。その際は時間をかけて自社で技術スタディを実施し、その結果を基にオペレーターへ提言することで案件価値向上に貢献しています。ある案件においては自社独自の物理探査解析に基づき、対象油田周辺の追加ポテンシャルを見出し、オペレーターやパートナーへその有望性と新規坑井掘削の提案を行いました。協議の末パートナーの同意を得て対象エリアに掘削した結果、追加の油の発見に至った際は、この上ない達成感を感じました。
一方、エネルギー業界での技術革新、並びに物理探査技術の発展は非常に著しく、最新技術の把握やそれを活用した解析・評価作業も非常に重要です。そのため、セミナーや学会への参加や、業界他社、物理探査コントラクターとのネットワーク構築を通じて最新技術動向をフォローします。今年春の出張では、コントラクター6社との面談を実施し、最新技術動向を調査しました。昨今のセンサー技術、データ解析技術、機械学習技術の適用により地震探査データ解析精度が飛躍的に向上することが把握でき、こうした最新情報や知見を技術評価に役立てています。
社内作業室にて
以上の業務を各案件のスケジュールに基づき、同時並行で実施しています。現在、実際に手を動かして技術評価を実施している案件が2件、状況を適時フォローする必要がある案件が4件ある状況です。それぞれに優先順位をつけて、効率よくこなすように工夫して業務を行っています。
この仕事が私にとって魅力的なのは、エネルギー確保を通じた日本への貢献、大規模なプロジェクトに関われること、そして技術者としての充実感が得られる点です。
近年、二酸化炭素排出量の削減とエネルギー確保の両立は日本の重要な課題であり、再生可能エネルギーに注目が集まっている状況かと思います。一方、完全な脱炭素社会の実現には時間を要し、その過渡期においては化石燃料の確保、化石燃料を利用しながらのCO2の排出を最小限に抑えることが資源の乏しい日本において現実的で重要な方策となっています。こうした中、石油ガス開発、並びにCCSなどの脱炭素事業といった重要な課題に携わることに非常にやりがいを感じています。
また、石油ガス開発、CCS事業という巨大事業の一部を担えていることも魅力の一つです。私が扱う物理探査データの取得は数億円~数十億円、掘削は数百億円にも至る場合もあり、プロジェクト全体の価値は数千億円を優に超える規模となり得ます。このように個人では考えられないほどの巨額の案件に携われていることが当社で働く醍醐味の1つと感じます。
我々が行う技術評価は、視覚的に確認できない地下の地層を対象とするため、結果には大きな不確実性が伴います。技術者のスキルや深い洞察力が、その成果の質に直接影響を及ぼします。限られた情報から地下の状況を予測するのは大変困難な作業ではありますが、その困難性がこの仕事の面白さでもあります。また、私自身子供の頃から科学に深い興味を持っていました。そのため、この仕事は私の専門分野と自身の興味が結びついた、まさに天職といえるものです。業務内容は新たな挑戦と知的好奇心に満ちており、それがこの仕事の魅力となっています。
当社は40人程度の少人数の会社です。そのため、個々の社員に対してその能力や適性に応じたきめ細やかな研修機会を提供することができていると感じます。また、各社員が複数の案件を掛け持ちしていますので、世界各地の案件に関与する機会があります。
当社のもう一つの特長は伊藤忠商事との密なコミュニケーションです。伊藤忠商事の商務チームとは週に1回以上は会議を設け、密接にコミュニケーションを図っています。商社マンが持つ独特の金銭感覚や、新たな案件を見つけ出す嗅覚にはいつも刺激を受けています。
就職活動を進めている皆さんの中には、本産業への長期的な展望について不安を感じている方もいらっしゃるかもしれません。確かに、脱炭素社会への取り組みが世界的に進み、再生可能エネルギーの導入が進展しています。しかし、世界人口の増加や新興国の経済発展により、エネルギー需要の増加は続いています。脱炭素への移行が求められる中、環境問題に対応するための現実的な解としてCCSはさらなる拡大が期待されています。石油ガスの重要性は当面変わらぬ上に、新たなビジネスフィールドとしてCCS等が加わることで、優秀な人材の確保がより一層重要となっています。
エネルギー産業や脱炭素事業に関心をお持ちの方、私たちとともに新しい可能性を模索してみませんか?
2014年新卒採用 戸谷 真亜久 探鉱部 物理探査室 2023年8月
AM 7:30 出社 朝食、メールチェック
伊藤忠グループの制度で、朝8時までに出社すると食堂で飲み物、おにぎり、フルーツ等の朝食が提供されます。オフィスについたら、朝食をとりながらメールをチェックし、各案件の状況を把握します。さらに上司や同僚と各案件について話し合い、何の作業が必要か整理します。案件ごとにTo doリストを作り、作業の優先順位をつけるようにしています。
AM 8:00 技術評価開始
専用のソフトウェアや独自プログラミングによる解析を通じて技術評価を実施します。
PM 12:00 ランチ
オフィスで同僚とお弁当を食べるか、外食することもあります。オフィスの周りには、青山霊園の桜並木や、明治神宮外苑のいちょう並木など自然が多く、時々散歩も楽しんでいます。
PM 13:00 プレゼン資料づくり
技術評価結果報告の為の資料を作成します。月に1回以上は社内や社外でプレゼンを行っています。報告対象が技術専門家の場合や商務担当者向けの場合もあるため、相手に応じたプレゼン内容にします。
PM 15:00 ミーティング
暫定的な結果に基づき議論するものや、社内申請のための報告会など、状況に応じて様々な会議に対応します。
PM 17:30 業務終了
最近は朝方勤務をするようにして、残業はあまりしません。17時30分にオフィスを出れば、保育園の子供のお迎えに間に合います。海外とのWeb会議がある場合は、時差の都合によっては残業しますが、遅い時間の場合は自宅から参加するなど柔軟に対応しています。
週に2回は在宅勤務をしていますが、在宅勤務時は集中して技術評価を実施でき、一方会議がある場合は出社し、Face to faceのコミュニケーションを大事にしています。
趣味はトライアスロンで、毎年一度は大会に参加することを目標にしています。写真は今年宮崎まで遠征して参加した大会のものです。