伊藤忠石油開発(株)は、1996年にITOCHU Oil Exploration (Azerbaijan) Inc.を100%子会社として設立し、アゼルバイジャン共和国領カスピ海沖合い Azeri, Chirag, Deepwater Gunashli(ACG)鉱区における生産物分与契約の権益3.9205%を当該子会社において獲得。カスピ海地域において日本及び東アジア企業による初めての生産物分与契約権益獲得となった。ACG鉱区生産物分与契約は、契約締結から2024年までの30年間にわたって探鉱・開発・生産活動を実施するもので、「世紀の契約」とも呼ばれていた。
また2010年8月には、本鉱区から撤退するDevon Energy社の一部権益(0.3781%)を追加取得し、参加権益比率を3.9205%から4.2986%へ増加した。
ACG鉱区の操業は、オペレーターであるBPを初め、アゼルバイジャン共和国国営石油会社(SOCAR)、米国、ノルウェー、トルコ、インド、そして日本からの外国石油会社計9社からなる国際コンソーシアム”Azerbaijan International Operating Company(AIOC)”が実施している。
ACG鉱区では段階的な開発が行われてきており、1997年よりACG鉱区における1番目のプラットフォームであるChirag-1プラットフォームより最初の原油生産を開始、その後2001年より本格開発が進められ、2005~2006年にかけてAzeri油田にて3つのプラットフォームから、2008年にはDeepwater Gunashli油田から原油生産を順次開始しており、2014年にはChirag油田西部のプラットフォームからも生産を開始している。
現在は計8つのプラットフォームによる操業が行われており、2016年8月には原油の累計生産量30億バレルを達成した。本鉱区にて生産された原油はバクー近郊のサンガチャルターミナルに送油され、主にバクーからジョージアのトビリシを経由してトルコのジェイハン(地中海沿岸)まで敷設されたBTCパイプラインを通じて輸出を行っている。
2017年9月14日付でSOCARとAIOCの間でACG鉱区の生産物分与契約を25年間延長し、2049年までとすることに合意し、調印を行った。なお、本契約延長にてSOCARの権益比率が11.6461%から25.00%へと引き上げられることに伴い、参加権益比率は3.648905%へと変更された。